ボトルアクアの立ち上げから半年経過まで

ボトルアクアの立ち上げから2週間、注意しておきたいこと

立ち上げたばかりのアクアリウムは水草の成長が不十分だったり、バクテリアが定着していない状態であることが多いです。これはボトルアクアでも同じです。
つまり初期のボトルアクア内はとても不安定な環境にあります。
この不安定な時期を乗り越えるために重要なのが「水換え」と「水温」です。

アクアリウムの大事なポイント①：水換え

最初のポイントは「水換え」。スタートしてから約2週間は、水換えを毎日してください。
全ての水を入れ換えるのではなく、水換えの量は1/3くらいでOK。
この時、汲み置きの水ではなく、水道水を使用します。
水道水には水草の成長に必要な二酸化炭素が含まれるからです。
水道水はカルキを抜いて使ってください。カルキ抜きが簡単にできるアイテムもご用意しています。
水換えの詳しい方法については、こちらをご覧ください。

アクアリウムの大事なポイント②：水温

次に大切なのが「水温」。
水温は26℃前後になるようにしてください。水温が安定していることが重要です。
ボトルアクアも立ち上げの時期によっては、アクアリウム用のヒーターを使用したり、室温を調整するなどの工夫が必要なこともあります。
ボトルアクアの重要な時期を乗り越え、安定した環境を目指しましょう。

アクアリウムで水草に起きること

アクアリウムで育てる水草には、さまざまな変化が起こります。
水草は元々エネルギーを蓄えた水上葉がほとんどで、初期は目に見えて急成長します。
一方で、この時期の水草は根を張り始めた最初の状態のため、まだまだ抜けてしまうこともあります。
水草は抜けてしまうと、その後うまく成長できません。
もし抜けている水草があれば、ピンセットで植えなおしてあげましょう。
水草は1週間から2週間で水面を覆うほど成長することもあります。
そうなると、下の方の水草に光が届かなくなり、水槽の底に近い水草が育たず、枯れてしまうことがあります。
定期的に水草をトリミング（ハサミで切って、植えなおす）して、水槽全体に光が当たるように工夫しましょう。
水草のトリミングの方法については、こちらをご覧ください。

水換えや水温調節をしても上手くいかない場合は、お住まいの地域の水質（硬度）が極端な硬質に傾いている可能性があります。
全国の水質を確認できるページもあります。ぜひ活用してみてくださいね。

お住まいの地域の水質が硬水の場合は、水槽に入れる水を軟水にするのが理想です。
水質は地域によって大きく異なります。硬度が高く水草を育成するのが難しいと感じたら、硬水を軟水にする「軟水化パック」のご使用をおすすめします。

アクアリウムで生きものに起きること

アクアリウムの安定した環境のためには、水草だけでなく魚やエビなども大切です。
魚やエビは、立ち上げの初期段階から入れてあげましょう。
生きものは、アクアリウムショップやペットショップでお買い求めいただけます。
アクアリウムでは、さまざまな種類の魚やエビを育成することができます。とはいえ、最初はどんな魚やエビを選んだらいいか悩むもの。
お迎えする魚やエビをお悩みの場合は、飼いやすさを基準に決めてもいいかもしれません。
はじめてのボトルアクアにおすすめの生きものはこちらをご覧ください。

魚やエビを水槽に入れる際は、水合わせをしっかりとしてあげる必要があります。
とくに水温は慎重に合わせてから入れてあげましょう。
アクアリウムショップで魚やエビを買うと、ビニールに酸素を詰めた状態で渡してもらえます。家に帰ったら、小さなバケツなどに生きものを袋の水と一緒に移してください。
その後、水槽の水温や水質と馴染むように水槽の水をバケツに少しずつ入れて、水合わせをします。
アクアリウムでは残念ながら魚やエビは死んでしまうこともあります。死んでしまった生きものはそのままにすると水質を悪化させてしまうことも。水槽を毎日しっかり観察し、見つけたらすぐに取り出してあげましょう。
また、ボトルアクアには小さなガラス容器を使用するため、生きものの入れすぎは水質の悪化や酸欠にも繋がります。
魚の種類や大きさに合わせて、最適な匹数を入れてあげましょう。
アクアリウムでは、1Lに1匹が目安となります。これはボトルアクアでも同じで、1つに対し3〜5匹程度が理想です。エビは5匹くらい入れても大丈夫です。

2週間経過から半年まで

一般的なアクアリウムでは1週間から10日に一度、約1/3～1/2程度の水換えを行います。ボトルアクアは少し違い、立ち上げから2週間は水換えは毎日行います。
2週間が過ぎたら、水換えの頻度を1週間に1度に切り替えます。
水換えの水量は毎日行う時と同様に、全体の1/3の量で構いません。
時間の経過とともに、水草は水上葉から水中葉に変化します。葉っぱの形が変わっていくことを楽しめるタイミングです。
水中葉に変化した水草は底床内に根を張り、抜けにくく安定してきます。
ここからは水中葉化した水草をトリミングしたり植えなおしたり何度も手を入れて、理想の水景をつくっていきましょう。
2週間ではまだ水草は乱雑に生えているだけで、思い描いていた水槽とはかけ離れているかもしれませんが、お手入れを繰り返しているうちに理想のボトルアクアに近づくはずです。
ボトルにミナミヌマエビを入れている場合は、もしかすると小さな赤ちゃんエビを発見できるかもしれません。魚たちも慣れてきて、楽しそうに泳ぎ回っていることもあります。
ボトルアクア内の小さな変化を楽しみながら、お手入れを続けていきましょう。

立ち上げから半年経った後は

たとえ同じ条件でスタートしても、アクアリウムのその後の変化は水槽ごとに異なっていきます。
アクアリウムを立ち上げて3ヶ月も経つと、よく育つ水草もあれば、あまり育たず枯れてしまう水草も出てきます。
これは「遷移」と呼ばれる、植物の移り変わりが水槽内で起こっているためです。この「遷移」は自然環境でも起こる現象です。
よく育つ水草を見分け、定期的にトリミングをする必要があります。
もし育つ水草の種類が限定的になり「単調だな」と思ったら、是非アクアリウムショップに足を運んで、新しい元気な水草を追加してみましょう。

いつも通りメンテナンスしていても突然、水槽内の環境が変わり、生きものが死んでしまったり、水が急に濁る場合があります。
これは底床（砂）が水草の根っこで目詰まりし、通水性の悪化による酸素不足に陥るために起こります。バクテリアの活性が低下している可能性があります。
突然生きものが死んでしまったり、水が濁ってしまったときは、水草を一部、根っこごと引き抜いてください。
アクアリウムの底床が耕されて通水性が改善されることがあります。
その際、一度に大量の水草を抜いてしまうと、底床内の水の循環が弱くなり、かえって水が濁ってしまうことがあります。
抜いた水草は下部分や余分な根をカットし、抜いた場所へ差し戻しましょう。

アクアリウムに様々な変化が起きるのは地球環境と同じ。
試行錯誤しながら、この変化を楽しむことこそがアクアリウムの醍醐味なのかもしれません。